第6回(2024年3月実施)のデータサイエンティスト検定™ リテラシーレベルに合格しました!
今回は、わたしが実際にDS検定を受験・合格した際の勉強方法・使用した参考書等について紹介します。これから受験する方の参考になれば幸いです!
データサイエンティスト検定(DS検定)とは?
「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」(以下、DS検定)とは、データサイエンティストに必要な基礎知識を確認できる試験です。公式HPには以下の通り記載されています。
データサイエンティストに必要なデータサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力について、見習いレベル(★)の実務能力や知識の証明に加え、数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルの実力を有していることを証明することができます。
https://www.datascientist.or.jp/dscertification/
「リテラシーレベル」の名の通り、データサイエンティスト初学者やこれからデータサイエンティストを目指す人、学生などを対象とした試験になります。
また、第1回が実施されたのが2021年9月と、かなり新しい検定試験でもあります。
概要
概要は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
試験期間 | 第7回:2024年6月8日(土)~2024年6月30日(日) 第8回:2024年11月9日(土)~2024年12月1日(日) 第9回:2025年3月8日(土)~2025年3月30日(日) |
試験形式 | CBT方式 |
試験時間 / 問題数 | 100分 / 100問(従来の90分 / 90問から変更) |
合格基準 | 正答率80%前後(過去の実施結果) |
合格率 | 40~50%程度(過去の実施結果) |
受験料 | 一般10,000円、学生5,000円 |
実施回にもよりますが、合格率は約40-50%、合格に必要な正答率は80%程度と、ITパスポート・G検定などと比べるとやや難易度は高い印象です。
試験内容
DS検定は、かなり範囲の広い試験です。
スキルチェックリストの3カテゴリ(データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力)の★1(見習いレベル)相当と数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)におけるモデルカリキュラムを総合した範囲
https://www.datascientist.or.jp/dscertification/what/
とのことで、詳しい内容は上記DS検定公式HPの「試験範囲」欄に記載があるので確認してみてください。
実際に受験してみた自分としては、DS検定は「統計学×AI×IT」の試験だと感じました。
筆者の経歴
勉強の過程を書く前に、筆者の経歴を記載しておきます。
- 学歴:旧帝大 文系卒
- 職歴:金融専門職→IT系企画職
- 保有資格:証券外務員2種、簿記3級、ITパスポート、G検定
仕事自体はデータサイエンスとはあまり関係のない職種ですが、大学では計量経済学を専攻しており統計学についての基礎知識があったこと、ITパスポート・G検定といった関連資格を取っていたことが、DS検定の受験にあたってはかなり有利に働いたと感じています。
なお、ITパスポート・G検定の2つについては別で合格体験記を書いているので、よろしければそちらもご参照ください。
ITパスポート:【IT未経験】ITパスポートに30時間で合格した勉強方法【文系】
G検定:勉強時間は?カンニングはできる?G検定合格体験記!
DS検定の勉強時間
以下は勉強記録アプリ「StudyPlus」のスクリーンショットです。
勉強時間は、合計で20時間40分でした!
前述の通り、大学で統計学に触れていたこと、ITパスポート・G検定を取得していたことで、ある程度前提知識を持った状態で勉強を始められたことは大きかったです。
統計検定とも範囲が被っているようなので、持っている方は取り組みやすいかもしれません。
逆に、統計・IT・AIのどれかが未学習という場合は、+20-30時間の勉強が必要になるのではないかと思います。
DS検定の勉強法
DS検定は新しい試験ということもあり、参考書が少なく、過去問も出回っていないので、勉強するのはかなり難しかったです。
結論から言うと、わたしは以下の3冊を利用して勉強しました。(それぞれの参考書については後段でレビューします)
これら3冊を、以下の通り順番に回していきました。
白本の巻末模試⇒白本の精読⇒黒本で問題演習⇒黒本の巻末模試⇒緑本の精読⇒緑本の巻末模試⇒白本のWeb模試⇒白本の精読(2回目)⇒白本の巻末模試(2回目)
ただ、この後の参考書レビューでも記載しますが、黒本の問題は本番とやや趣向が違うように感じるので、今から勉強される方は、“緑本・白本を中心に取り組み、時間があれば黒本”という形の方が良いかもしれません。
DS検定のおすすめ参考書
今回わたしは、白本・緑本・黒本の3冊を使って勉強を行いました。どれもDS検定界隈では有名な参考書かと思いますが、実際利用した感想などをレビューしたいと思います。
ちなみに、個人的なおすすめ度は、緑本>白本>>>黒本です。
最短突破 データサイエンティスト検定 公式リファレンスブック
まずはこちら。通称、白本。
DS検定の主催者であるデータサイエンティスト協会が出している公式テキストであり、DS検定の試験範囲の全体感を把握することができます。
緑本・黒本であまり触れられていないものの、白本に記載のあった内容が本試験に出たりなど、随所に”公式”感がありました。
また、巻末45問、購入者特典でプラス90問の模試がついてくるのですが、この模試がかなり本番に近い!(主催者が出している本なので当たり前ですが…)。模試を解くためだけでも買う価値があると思います。
なお、テキスト部分の説明は良くも悪くも簡素です。覚えるべきことがただ淡々と書かれているのみなので、初学者がこの本のみで勉強するのは難易度が高いと思います。
知識が浅い方は、この後ご紹介する緑本から始めるのがおすすめです。
とはいえ、唯一の公式テキストですし、DS検定を受けるのであればまず購入してほしい1冊です!
合格対策 データサイエンティスト検定教科書
続いてはこちら。通称、緑本です。
緑本の良いところは、なんと言っても説明がわかりやすいこと!「教科書」と銘打つだけあります。白本で挫折してしまった方はぜひ緑本を使ってほしいです。
巻末には90問の模試がついていますが、模試の本番再現度もそこそこ高く、全体としてレベルの高い参考書だと思います。
ただ逆に、既に豊富に知識を持っている人にとっては、説明主体のテキストである緑本は活用が難しいかもしれません。
徹底攻略データサイエンティスト検定問題集
通称、黒本。DS検定界隈で唯一と言っていい「問題集」です。
各章20問程度の問題が掲載されているほか、巻末にも90問の模擬試験がついています。インプットを終えて、問題演習をしたいという方には必然的にこちらが選択肢に入ると思います。
ただ個人的には、黒本の問題は本番と若干趣向・レベル感が異なるように感じています。もしかしたら私の受験した回がたまたま黒本と相性が悪かったのかもしれませんが…。
白本・緑本に取り組んだ上でまだ試験まで時間があり、余裕を持って合格したいという場合にはおすすめですが、最初から黒本主体で勉強するのは微妙かなと感じています。
受験当日
ここからは受験当日の体験談について書いていきます!
DS検定は簿記やITパスポート同様のCBT方式で、テストセンターでの受験になります。
持ち物は、身分証明書があればOKです。電卓が持ち込めないことに驚く方がいるかもしれませんが、試験中はPCの電卓機能を使用することになっています。
試験は90問90分(※2024年6月開催分から100問100分になるそうです)。1問1分ペースで解く必要があります。
やはり計算が必要となる問題は時間がかかってしまうので、文章だけの問題や簡単な問題を30-40秒ほどで解き、計算問題や難しい問題に時間を回せるよう意識すると良いと思います。
また、わからない問題・見返したい問題にはチェックをつけることができるので、解けない問題がある場合も立ち止まらず、チェックをしてどんどん解いていきましょう!
わたしは75分で一通り解き終わり、残りの15分で見直し・わからない問題の解き直しを行いました。なお、早めに解き終わった場合はその段階で退出することも可能です。
結果発表
DS検定は、受験直後にその場で以下のような簡易レポートを受け取ることができます。
わたしの結果は総合スコアで82.2%。
過去の合格ラインは79-80%程度だったので、正式な合格発表日まで「なんとか合格できたか!?」と「もし基準が上がっていたら落ちているかも…」の2つの狭間でかなりドキドキする羽目になりました。
そして、試験月の翌月中旬~下旬あたりで合格発表があります。
「試験結果を確認してください」というメールが届くので、そこから受験マイページにログインし、確認してください。合格していた場合は、そこから合格証もダウンロードすることができます。
また、合格していた場合は以下のようなバッジも取得できます(G検定と同じシステムでした)。
まとめ
この1年ほどで、ITパスポート・G検定・DS検定と3種類の試験を受験しましたが、DS検定は一番難しかったような一番簡単だったような、、、掴みどころのない試験だった気がします。
学生時代に統計学を学んでいたとはいえ、結構簡単に合格できてしまったことからもわかるように、これだけでデータサイエンティストとしてやっていけるような、実務者向けの資格ではないと思います。
ただ、基礎知識の確認・習得状況の証明にはなると思うので、データサイエンスやデータサイエンティストに興味のある方、知識の確認をしたい方はぜひチャレンジしてみてください!
この記事が受験の参考になれば幸いです。